参考:記事
2002年11月14日
「にがり」成分に抗がん作用 熊本県立大教授ら解明
天然塩に含まれる「にがり」成分に抗がん作用があることを、
熊本県立大学の奥田拓道教授(生化学)らの研究グループがマ
ウスの実験で明らかにした。副作用はほとんどなく、研究が進
めば、がん治療への応用も期待できるという。那覇市で15日
から始まる日本体質医学会で発表する。
同大や愛媛大などの研究によると、「サルコーマ180」とい
うがん細胞を腹部の皮下に移植したマウス30匹に、天然のにがり
成分0.5ミリグラムを薄めた液を1日1回、14日間、経口で与
えた。15日目にがんの状態を調べたところ、にがり成分を与えな
かった別の10匹に比べ、がんの成長が3分の1以下に抑えられていた。
従来の抗がん剤を使用したときのような免疫機能障害や体重減少
などの副作用はほとんどなかったという。今回の実験ではがんの
成長を抑制するメカニズムは分からなかったが、研究グループは、
神経や免疫のシステムを増強させ、結果として抗がん作用につな
がっていると考えている。
にがりは、海水から取れる天然塩から塩分を抜いた残りの成分で、
いわば副産物。マグネシウムやカリウムなどのほか、約60種類の
微量ミネラルが含まれ、豆腐を作るときに使われる。昔から天然塩
の生産が盛んな地域では切り傷、すり傷の消毒、皮膚病の治療など
にも利用されてきたという。 【江口一】
[毎日新聞11月14日] ( 2002-11-14-15:01 )
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